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2010 12,01 06:12 |
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保険金不払い 謝罪だけでは済まない2007年4月14日 生命保険各社は保険金の不払い調査結果を金融庁に報告した。その件数と金額の多さにはあきれる。契約者の信頼を裏切った行為はもはや謝罪だけでは済まない。厳罰処分を検討すべきである。 契約者の中には突然、生保会社から手紙が届いて驚いている人も多いのではないか。たとえば「重大疾病保障特約に関するお知らせ」では、心臓病やがんなどの病気になっていた場合は支払い対象になる可能性があるので確認してほしい、という内容だ。 契約者に問い合わせること自体が異常である。そもそも保険会社の基本業務は保険金を支払うことだ。万一の時に備えて、契約者は信頼して保険料を支払っている。 たしかに現行制度は契約者からの請求があってから支払う「請求主義」だ。しかし保険会社が普段から契約者を大切にしていれば、こんな問い合わせなど起こりえない。契約者の甘さに便乗し信頼の基礎を自ら崩している各社に猛省を求めたい。 主要十二社の不払い調査では二〇〇一年度からの五年間で約二十三万件、金額で約二百六十八億円に達した。最大手の日本生命は十一万件を超え、明治安田生命も約三万四千件に達した。十二社で最終的には百万件以上に拡大するという。 山本有二金融担当相は「保険金支払いは心臓部分だ。今後、性根を入れて対応してほしい」と述べたが、当局にも責任の一端がある。 保険会社は長い間、護送船団方式による金融行政に安住してきた。一九九八年六月に金融システム改革法が成立。銀行・証券・保険分野が自由化され大競争時代が始まった。 保険会社も経営体質の転換が求められたが、相変わらず販売目標(ノルマ)中心の営業至上主義がはびこっていた。今後、自立した経営を続けるなら一刻も早く顧客第一主義に転換しなければならない。同時に契約内容をもっと分かりやすくすることにも、全力を挙げるべきだ。 不払い問題では損害保険十社が先月、金融庁から行政処分を受けている。最大手の東京海上日動火災は医療やがんなどの第三分野の商品販売を三カ月間停止するなど厳しい措置となった。各社は業務改善計画を提出したが、これもスピードをもってきちんと実行することが必要だ。 保険不信を解消するには自助努力に加え、厳しい処分が不可欠だ。金融庁はこの際、不払いなどを繰り返す保険会社に対しては課徴金を課すなどの措置を検討すべきである。もはやトップ交代だけでは、国民の不信は解消しないだろう。 PR |
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